
梨ダイエットの評価
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総合評価
ダメ
推奨
3
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金額
高い
安い
3
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手軽さ
面倒
手軽
4
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期間
長期
短期
2
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信頼性
危険
安全
3
ざっくり言うと
梨ダイエットとは、朝食の代わりに梨を食べる方法と、食事の中で炭水化物の量を梨の分だけ減らして食後に梨を食べる方法があります。
梨に含まれている溜まった便を柔らかくし腸を刺激する作用があるソルビトールという栄養素と、食物繊維の相乗効果で便秘解消が大いに期待できます。
エネルギーの消費が緩やかになる夕食に食べることを避けたり、栄養が偏ってリバウンドしないように気を付けましょう。
本記事では梨ダイエットのご紹介をします。
食べものを利用したダイエット方法はたくさんありますが、季節に合わせて旬の食べものを使うことができれば、ダイエットも美味しく、楽しめそうですよね。
旬の食べものは、その食べものの栄養価が1番高い時期で、効能を期待できるほか、出回る量も多いのでお安く手に入ることも魅力です。
そこで今回おすすめするのは梨です。夏の終わりから出回り、その甘みと独特の食感が好きという方も多い梨。ただ甘くて美味しいだけではありません。
梨には、夏の暑さで疲れたからだを癒し、エネルギー代謝を上げて、太りにくいからだづくりを助けてくれます。食べものが美味しくてついつい食べ過ぎてしまう秋にはぴったりの食べものです。
さらに、豊富な食物繊維のおかげで便秘予防効果も発揮します。健康やダイエットに注目される食べものとして、まだ大々的に取り上げられているメジャーな食べものというわけではありませんが、梨は秋のダイエットにぴったりな食べものです。
ただし、いくらでも食べて良いというわけではありません。ダイエットに活かすためには、食べるタイミングも大事です。そこで今回は梨ダイエットのやり方についてや、朝と夜どちらのタイミングで食べるのかなどをご紹介したいと思います。
見出し
梨ダイエットとは(やり方)
夏が終わって涼しくなる頃から美味しくなる梨。その甘さとさっぱりとした味わいに、独特な食感も好まれる果物です。
その梨が、ダイエットに効果があるとご存知でしたか?
方法
梨ダイエットの方法は2つあります。1つは朝食を梨に置き換える方法、もう1つは食後に食べる方法です。
そのやり方を詳しく見ていきましょう。
朝食を置き換える
以前、朝バナナダイエットが流行ったことを覚えていらっしゃいますか?
それと同じように、朝食を梨に置き換えて食べる方法です。これは、最も効率良く体重を落とすことができる方法です。
しかし、注意点もあります。
梨は他の果物に比べて、ビタミン類はさほど多く含まれていません。
その分、昼食や夕食で野菜などを積極的に取り入れ、ビタミン不足にならないように心がけることが大切です。
食後に食べる
食後に1/2~1個の梨を食べます。食後のデザートとして食べるだけではなく、食事の中で主食と言われる、ごはんやパンなどの炭水化物を梨の分だけ減らすことがポイントです。
炭水化物は、からだの為に必要であり効率の良いエネルギー源ではありますが、摂りすぎてしまうとエネルギーとして消費されず、脂肪に変えられてからだに蓄えられてしまいます。
そこで、炭水化物の量をコントロールすることが必要になります。そして、梨ダイエットを食後に取り入れる場合は、梨に含まれている糖質とのバランスを考え、その分炭水化物を減らさなければなりません。
また、主食を減らした分、主菜や副菜でお腹をある程度満たす必要がありますが、主食が減ったからとうっかり食べ過ぎるようなことはないようにしましょう。
梨のカロリー
いざ梨ダイエットを始めようと思い立ったところで、気になるのはそのカロリーです。
梨のカロリーは100gあたり43kcal、一般的に販売されている梨は1個だいたい300g前後ですから、120kcal前後です。
ダイエットでよく取り上げられるバナナは100gあたり86kcal、りんごは100gあたり54kcalですから、梨は低カロリーな果物と言えます。食べてすぐわかるように、梨の成分の約90%が水分なのでみずみずしく、カロリーも控えめなのです。
ちなみに、水分をたっぷり摂取できることから満腹感も得やすく、余計な間食もせずに済みます。
栄養
梨は低カロリーな果物ですが、その実には私たちに必要な栄養素、特にからだの機能を支える大事な役割を担う成分が含まれています。
カリウム
カリウムの働きとしてよく知られているのは、ナトリウムを体外へ排出するということです。
ナトリウムは、体の中で細胞を正常に保ったり、神経や筋肉の働きを調整することに役立っていますが、塩分を摂り過ぎるなどして体内のナトリウム量が増えると、ナトリウムは水分を多く取り込む性質があることから、水分が体内に溜まりやすくなってしまいます。
つまり、むくんだ状態が起こります。そこで活躍するのがカリウムです。
カリウムはナトリウムが正常に体内で働くように体中に運ぶ役割を担っているほか、余分なナトリウムは体の外へ排出させて、体内のナトリウムの濃度のバランスを整える働きを持っています。
アスパラギン酸
アスパラガスから見つかった成分で、アミノ酸のひとつであり、旨味の成分でもあるのがアスパラギン酸です。このアスパラギン酸に期待できるのは、まずアンモニアの除去です。
アンモニアというと臭い成分を思い浮かべるでしょうが、実際に私たちの体中で作られている物質です。からだの中でエネルギーが消費されると、燃えかすとなって不要物質が同時に生み出されます。それがアンモニアです。
そしてこのアンモニアをせっせとからだの外へ尿と一緒に排出させる働きをしているのがアスパラギン酸です。かつ、効率よくエネルギーをからだの中で生み出す働きもしています。
フィシン
梨にはたんぱく質の消化を助ける、たんぱく質分解酵素フィシンが含まれています。健康のためにたんぱく質をしっかり摂ることは大切です。しかし、だからといってたんぱく質を食べ過ぎると消化器官の負担が大きくなり、消化しきれなかったものは老廃物となって肌荒れやニキビの原因になります。
そこで、活躍するのがフィシンであり、摂取したたんぱく質の消化を助け、分解させることで、からだに必要なところへ届け、不要なものは排出できる形に整えます。
食物繊維
梨の独特なシャリシャリした食感は食物繊維によるものです。食物繊維と言えば、言わずと知れた便秘解消効果が期待できます。
ソルビトール
果物の中でも、梨は特にソルビトールを多く含んでいます。このソルビトールが、宿便となって溜まった便をやわらかくし、腸を刺激して、便の排出を促します。
このソルビトールは便秘薬としても採用されています。
梨の5つのダイエット効果
1.便秘解消
梨の食物繊維が便のかさをまして腸を刺激し、蠕動運動を促進させて、排便を促します。
さらに食物繊維だけでなく、前述したソルビトールにも便通改善の効果がありますから、食物繊維とソルビトールの相乗効果で、便秘解消が大いに期待できるというわけです。
そして、便秘が解消されるとまず便秘で張っていたおなかがへこみ、悩ましいぽっこりおなか、何かと気になる下腹をすっきりさせることができます。
さらに、腸にたまった老廃物や毒素も便と一緒に積極的にからだの外へ排出されやすくなり、腸内環境が整って、代謝もスムーズに行われ、結果として血流も改善されるので、腸内だけでなく体全体の代謝も促進されて、痩せやすい体質への改善も期待できるのです。
2.むくみ解消
便秘状態では、慢性的にむくみやすくなります。腸のうしろには、臓器とその臓器内を巡る血管やリンパ管が存在しており、便秘の状態では、腸のうしろの臓器やそこを流れているリンパ液や血液の流れが便によって圧迫されています。
このような状態では、本来スムーズに流れるはずの体液の流れも滞り、足に体液が溜まっていき、むくみが起こるのです。
しかし、便秘が解消されれば圧迫されることなく、体液がスムーズに循環し、結果としてむくみの解消につながるのです。便秘解消によって代謝がスムーズになることで代謝そのものも上がっていきますから、効率的にむくみが解消されるのです。
梨に含まれるカリウムも、むくみ解消を後押しします。カリウムの働きで、まず水分の重さが減って体が軽く感じられたり、すっきりしてきます。
加えて、アスパラギン酸が一緒にからだに溜まった老廃物を尿からも排出するように働きますから、より老廃物がたまりにくいからだになり、そうなれば代謝が効率良くアップします。
そして、代謝が良くなることで、からだの中から痩せやすい状態になる、つまりダイエット効果が期待できるわけです。
3.脂肪分解
まず、アスパラギン酸はエネルギーを効率良く生み出すことに働いていますが、からだのどこからエネルギーを作り出しているかというと、それは脂肪です。
脂肪を燃やしてどんどんエネルギーが作られれば、それだけからだを元気に動かすことができます。もちろん、体の中では内臓をはじめとする働きも活発になります。
そうすると、からだに溜まった脂肪がどんどん分解されてエネルギーとして消費される、消費カロリーが上がる、つまり痩せやすいからだ作りにつながるというわけです。
アスパラギン酸の働きで脂肪が分解されやすくなっていたとしても、それがエネルギーとしてしっかり消費され、余分な分は排出されなければ意味がありませんが、梨に含まれる他の成分のおかげで便秘やむくみが解消され、老廃物が排出されやすくなっています。
かつ代謝が上がっていれば、分解された脂肪はよりエネルギーとして消費されやすく、余分なものは老廃物と一緒にからだの外へ排出されやすくなります。
こういった好循環に恵まれることが、梨ダイエットの効果を大いに期待させる要因となるのです。
4.疲労回復効果
夏の暑さで疲れ切ったからだに、梨のアスパラギン酸が疲労回復効果を発揮します。
疲れたからだでは上手にエネルギーは作り出されず、からだが動かなければ代謝が落ちます。そこに、アスパラギン酸が摂取されることで、からだの中ではエネルギーが作り出されやすくなります。
また、エネルギーが作り出されても老廃物が溜まっていては、からだはうまく動きませんが、からだの中の毒素、老廃物であるアンモニアを排出して、効率よくエネルギーが作られるように助けます。
また、アスパラギン酸以外の成分の働きで、代謝が促されていますから、からだに溜まった疲労物質も、排出されやすくなっています。疲労が回復してからだが元気になれば、内臓も筋肉もしっかり機能し、さらにはエネルギー消費が促されるため、痩せやすいからだづくりにつながります。
5.美肌効果
腸内環境の状況は、お肌の調子に直接的に影響します。腸では、栄養のほとんどを吸収し、老廃物や毒素はからだの外へ排出するように働いています。便秘の状態では必要な栄養素を吸収できずに必要な栄養が全身に届けられず、結果として皮膚への栄養素が行き渡らないことで、肌荒れが起きます。
さらに、便秘が続くほど老廃物が腸内に溜まり、腸内環境が乱れて本来排出されるべき毒素も吸収されてしまい、にきびや湿疹などの皮膚トラブルとしても影響が出ます。
しかし、便秘解消が解消されればその心配はありません。また、アスパラギン酸の作用で脂肪が分解されることで、肌トラブルを引き起こす古い皮脂成分の元が断たれ、肌の代謝を高め、吹き出物や肌のざらつきの原因を減らします。
朝食と夜食どっちで食べるのが効果的?
梨の栄養、そしてダイエット効果についてご紹介してまいりました。では、いつこの梨を食べるのが良いのでしょうか?
初めの部分で、朝食を梨に置き換える、または食後に食べるという2種類のタイミングがあるとお伝えしましたが、そうです、梨は朝食べるのがおすすめなのです。
多くのダイエットに共通して言えることですが、“夜遅くに食べないことがダイエットを成功させるポイント”ということがあります。この点を踏まえても、梨を食事に取り入れるのは朝が適しています。
果物には果糖が多く含まれますが、これは分解のスピードが早いため、素早くエネルギー源に変わります。
朝は活動的なため、このエネルギーが消費されやすくなります。しかし活動しなければ、脂肪に変わってしまいやすいのです。
夜はそのリスクが高いと考えられます。
夜食に食べるデメリット
今お話したように、果物に含まれる果糖は、上昇率は緩やかながらも血糖値を上げる原因となります。
白米やパスタ、パンなどの一般的な炭水化物に比べると、その血糖値の上昇率は低いのですが、果糖も吸収・消化が早いため、影響力は十分にあります。
しかも、夜遅くになるにつれて、からだは休もうと代謝が落ち、消化酵素の分泌も減っています。
そこで梨を食べると、いくらダイエット効果があると言っても、血糖値上昇率が緩やかであっても、日中のように早く、かつ100%消化されるとは言い切れず、逆にエネルギーとして使われるのではなく、体脂肪に変わってしまいやすいというデメリットがあるのです。
朝食に食べるメリット
寝ている間にからだは呼吸や発汗によって水分が失われていき、目覚めた時には乾いた状態ですから、朝起きたらまず水分補給が必要です。そこで、果物には豊富な水分が含まれていますから、果物を食べると水分補給ができるほか、ただ水を飲むよりも一緒にビタミンやミネラルを補給できるというメリットがあります。
また、果物の消化には胃がほとんど使われることがないので、目覚めた後からだが動き出して老廃物の排出にエネルギーを集中させることができます。むしろ、果物に含まれている酵素が、排出を促すというメリットもあります。
さらには、緩やかに血糖値を上げながら、脳へのエネルギー供給をし、朝から活発に活動できる状態へと手助けしてくれるメリットもあります。
口コミ
梨で本当に痩せられるのか疑問に思われた方も安心してください。実際に挑戦された方々から、梨の効果について情報が寄せられています。
梨パワー?(夕飯として食べられるだけ食べた)めっちゃ肌が潤ってる。。。しかもむくみみたいなのも取れた感じ。すご。
— こころ (@cocoss1234) 2013年9月28日
梨食べて便秘解消作戦実行中!
— もっちん (@Ymottin) 2016年10月14日
効果をすぐに実感される方も多いようです。
【速報】便秘解消なう 梨3つも食べたからやな(*´ω`*)
— ばちくま@岩川のにわか提督 (@batikuma) 2016年8月17日
ひさしぶりに涼しい朝!きのう、梨をたくさん食べたからか、むくみも取れてすっきり。暑い地域では果物とったほうがいいねー。北海道では寒くて食べる気しないんだけど!
— はらぐろぱんだ (@guropan) 2010年9月8日
梨はカットするだけでなく、食べやすい工夫をしてダイエットに挑戦されている方もいらっしゃいます。
みぞれ梨ダイエット一緒にやってみよう(*゚д゚*)
一度痩せた4キロすごい✨✨ww— 高梨マリアーニ (@mariane_tn) 2014年6月11日
最後に
夏の暑さが過ぎる頃、秋の訪れとともに美味しい梨が出回ります。夏の暑さに疲れたからだを癒しながら、からだの中からすっきりダイエットには梨は効果的な食べ物といえます。
しかし、まだまだ梨のダイエット効果については広く知られていません。
みずみずしくさっぱりとした味わいが魅力の梨は、からだにとって、ダイエットにとって嬉しい効果が詰まった果物です。
梨が美味しい季節になったら、季節を感じながら、ぜひ梨ダイエットに挑戦してみたはいかがでしょうか?
栄養士からのコメント
梨ダイエットは朝食に置き換えたり、炭水化物を少なめにした朝食の食後に食べることで摂取カロリー量を抑えることを目的としています。
「朝の果物は金」という言葉があるように、果物に含まれる果糖は活動的な朝のエネルギー供給に大変優れ、ビタミン・ミネラル補給にもなります。
また、カリウムがからだのむくみを防ぎ、水分や食物繊維が腸内環境を整えるため、ダイエットの成功を後押ししてくれます。
ただ、朝食を梨に置き換えた場合は、昼・夕の食事をしっかりとバランスの良いものにしてください。
食事を1品に置き換えた結果、栄養素が足りなくなってしまうとリバウンドをしやすくなります。
梨ダイエットは、ダイエットを志すあまり食事の量を極端に減らしてしまい、日々の食事からビタミンやミネラルが少なくなってしまいがちな方におすすめのダイエットです。
参考文献
新基礎栄養学 第7版,医歯薬出版株式会社,2010