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  • やせるホルモンGLP-1とは

やせるホルモンGLP-1とは

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やせるホルモンGLP-1とは
医師 重藤 誠

糖尿病専門医

重藤 誠

ざっくり言うと

  • 食後に腸から分泌されるGLP-1は、食欲を抑えて体重を減らすことから、やせるホルモンとも呼ばれている。GLP-1は太ると減るので、肥満の悪循環の原因となります。

  • GLP-1を増やすためには糖質、食物繊維などの炭水化物を摂り、腸内環境を整えることが重要です。注射で増やすことも可能となります。

  • 消化管で分解されてしまうGLP-1はを直接、飲み薬で摂取することはできないですが摂ることはできないが、現在研究されており、将来は可能になる。

この記事では、食欲を抑える作用のあるホルモン、GLP-1について解説します。

GLP-1を知ることは、ダイエットだけでなく、健康的な食生活を行う助けになると思いますので、ぜひご覧ください。

腸と脳でつくられるGLP-1とは

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体重は、かなりの部分、ホルモンのバランスによって決まっています。食欲を落として体重を減らす作用のあるGLP-1は、グルカゴン様ペプチド-1 (Glucagon-like peptide-1)の略で、やせるホルモンとも呼ばれています。

食後に腸から分泌される生理的なホルモンです。GLP-1は、胃に入った食べ物が、腸に流れるスピードを遅くするため、急激な血糖の上昇を抑えると同時に、満腹感を持続させます。腸のL細胞という細胞から分泌されるほか、脳内でも造られており、脳での作用は、食欲を落として食べ過ぎを防ぐほか、認知機能や記憶力などに関わっていると考えられています。

血糖値上昇を抑えることができる理由

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GLP-1の重要な作用として、食後のインスリンの分泌を増やす作用があり、食後の血糖を抑えてくれます。食後の血糖が上がると、動脈硬化が進行するほか、認知症やがんのリスクを高めることがわかっています。

インスリン自体が、脳の満腹中枢に作用して食欲を抑え、体重を減らす作用があります。GLP-1は、インスリン分泌の調節をすることでも、食欲を抑制しているわけです。
また、血糖が安定することで、精神的な安定や、動脈硬化の抑制が期待できます。

インスリンといえば、メディアで肥満ホルモンなどと表現されたりしているようですが、大きな間違いです。たしかに、食事のコントロールが出来ない糖尿病患者さんにインスリンを大量に打つと、体重が増える場合があります。しかし、科学的に、食後のインスリン分泌量と体重、体脂肪にはほとんど関係が無いことが明らかになっています。

糖尿病専門医として、インスリンで太るという考えは間違っていることを、強調しておきます。

GLP-1はなぜ食欲を落とすのか

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脳で造られるGLP-1は、神経伝達物質として作用し、直接的に食欲を抑えます。他の神経伝達物質(ドパミンやNPY、PYYなど)にも影響を与え、複合的に食欲を抑えているようです。

また、胃腸の動きを抑えるので、食べ物が胃から出るまでの時間が長くなり、満腹感が持続します。GLP-1は1983年に発見された、比較的新しいホルモンですので、その作用機序については、まだ完全に明らかになっていません。

最近の研究では、味覚にも影響していることがわかってきています。実際、GLP-1治療により、味覚が鋭敏になり、自然に加工食品や高脂肪食品を避けるようになります。

体重が増えるとGLP-1は減る!

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GLP-1は体重を減らす役割があるとお伝えさせていただきましたが、一方で体重が増えるとGLP-1が減ってしまうという報告もあります。

太っている方は、いつも空腹感があり、常に何かを口に入れている方が多いです。GLP-1と体重の関係は、この原因を説明する、ひとつの要素になります。研究で明らかになった事実として、肥満者では、食後の血液中のGLP-1濃度が低く、体重が減るにしたがい正常に近づくことがわかっています。

つまり、太るとGLP-1が減ってしまうのです。
その理由はいまのところ正確に解明はされていないですが、食べ過ぎの状態が続くと腸内環境が悪化し、小腸下部~大腸に存在するL細胞(GLP-1産生細胞)が疲弊、GLP-1分泌が悪くなるのではないかと考えられます。
その結果、
食べ過ぎ⇒腸内環境の悪化⇒GLP-1の低下↓⇒食欲の上昇↑⇒食べ過ぎ⇒肥満
・・・という悪循環が起こり、肥満が進行しているのではないかというのが私の仮説です。
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ほかにも、肥満があると、腸が脂肪で圧迫され、L細胞への血液の流れが悪くなるのも関係しているかもしれません。
いずれにしても、食欲を抑える作用のあるGLP-1が減ることは、太れば太るほど食欲が暴走する原因のひとつと考えて間違いないでしょう。

GLP-1を注射すると体重が減る!

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現在、研究により、GLP-1の構造(アミノ酸配列)は完全に解明されており、われわれの体内で造られるGLP-1と同じものを合成することができるようになっています。GLP-1を投与することで、糖尿病患者の血糖が改善し、体重を減らすという、数百万人規模のデータがあり、日本でも糖尿病治療薬として使用されています。

アメリカFDA(日本の厚生労働省のようなもの)は、GLP-1製剤を2014年に肥満治療薬として認可していますが、保険制度の異なるわが国では、自費診療になります。

将来的には保険診療でも認められて、より多くの患者様の肥満解消につながればと願うばかりです。(政府の財政的に認められるのは時間がかかりそうな気もしますが…)

全身に作用する健康ホルモン

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図1 GLP-1の作用 Nature Rev. Nephrol. doi:10.1038/nrneph.2017.123

GLP-1の主な作用は、脳、消化管にはたらきかけて、食欲にブレーキをかけることですが、全身の臓器にも有益な作用があり、超善玉ホルモン、健康ホルモンなどという表現もされています。

膵臓、心臓、腎臓、肝臓などの重要臓器の機能を高めると同時に保護作用を持ち、心臓病、糖尿病、脂肪肝をはじめとした様々な病気の予防作用のほか、アルツハイマー病の治療薬としても注目されています(図1)。

膵臓:血糖を下げる方向に作用します。インスリン分泌、合成を増やすと同時に、インスリン分泌細胞を増やし、糖尿病の治療、予防に有効です。
心臓:心機能を高めると同時に、心臓の細胞を保護します。投与により、心筋梗塞が減ることが明らかになっています。
腎臓:腎機能を高め、体内の余計な水分、塩分を排泄させ、むくみを減らします。局所での腎保護作用もあるようです。
肝臓:肝臓の脂肪化を抑制し、脂肪肝を改善させます。いわゆる悪玉コレステロールの合成も抑制します。

ダイエットだけでなく、健康にも良いGLP-1の増やし方については「やせるホルモンGLP-1を増やす方法」の記事でお伝えさせていただきます。

また、私が院長のクリニックでは、現在GLP-1に関するダイエット診察を行なっており、オンラインでの無料相談が可能となっております。
ぜひご興味ある方はご覧いただけますと幸いです。
シゲトウクリニック

参照文献
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
The acute effects of four protein meals on insulin, glucose, appetite and energy intake in lean men.
Small molecule insulin mimetics reduce food intake and body weight and prevent development of obesity.

医師 重藤 誠

重藤 誠 しげとう・まこと●医学博士。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院などに勤務した後、英国オックスフォード大学を中心に、やせるホルモンともいわれるGLP-1につき研究。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど業績多数あり。帰国後、総合病院日本バプテスト病院での糖尿病専門外来を継続しつつ、2016年よりGLP-1によるダイエット専門クリニックを開院。ストレスなく実践できる肥満治療を行っている。

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