
榎(えのき)ダイエットの評価
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総合評価
ダメ
推奨
3
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金額
高い
安い
5
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手軽さ
面倒
手軽
4
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期間
長期
短期
3
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信頼性
危険
安全
2
ざっくり言うと
榎(えのき)ダイエットとは、そのままのえのきを食べるのではなく、冷凍させてつくるえのき氷と乾燥させて干したえのきを食べるというダイエット方法になります。
えのきに含まれているエノキタケリコール酸による内臓脂肪減少効果や肥満抑制作用から中性脂肪分解酵素が活性化されたり、キノコキトサンによって油分や脂肪分が排出されるので、ダイエット効果が期待されています。
えのきを一気に摂るとお腹がゆるくなってしまう場合があるので、1日あたり50g~150g程度の摂取を心掛けましょう。
榎(えのき)が、ダイエットに効果があるということを知らない方は多いのではないでしょうか。
痩せる効果だけでなく、美容にも良い効果を発揮するため、実は話題になっているのです。特に、冷凍した「えのき氷」が注目を集めています。
食べるだけで痩せた!という声もありながら、摂取量が過剰になってしまったり、調理時にパスタ量を増やしてしまったり、やり方を間違えて失敗し、効果が感じられない場合もあります。
こちらの記事で榎(えのき)ダイエットの正しいやり方や失敗しない方法、人気のえのきを使ったパスタレシピなどをご紹介したいと思います。
見出し
榎(えのき)ダイエットとは?
榎(えのき)ダイエットとは、きのこの「えのきだけ」を食べて痩せるダイエット方法です。
あの頼りなさそうで白いえのきには驚愕のパワーが潜んでいるのです。しかし、ひとえにえのきをひたすら食べればいいわけではありません。驚くべきえのきパワーを活用した「えのきダイエット」の正しいやり方・美味しいレシピを存分にお伝えします。
えのきは頑丈な細胞壁に守られているので、ただ味噌汁や鍋で煮て食すだけでは、えのきの頑丈な細胞壁を破壊するには不十分です。
効率良くえのきのダイエットパワーの発揮させるには、保存も効く冷凍させて作るえのき氷と乾燥させた干しえのきがおすすめです。えのき氷と干しえのきのレシピは紹介しておりますでの参考にしてみてください。
えのきダイエットの効果
カロリーが低くダイエットには最適な食材のように思える「えのき」ですが、カロリーが低いだけで本当に痩せるのでしょうか?それとも、低カロリー以外のダイエット要素がどこかにあるのでしょうか?
こちらでは、えのきの秘めたダイエットパワーを3つご紹介します。
内臓脂肪の燃焼を助ける効果
えのきは、きのこ類のなかでもえのきにしかない脂肪酸であるエノキタケリノール酸という脂肪酸の一種を含んでいます。
エノキタケリノール酸は内臓脂肪減少効果や肥満抑制作用があり、βアドレナリン受容体に対して結合活性をもっています。βアドレナリン受容体とは、運動後に生じるホルモンの1種です。エノキタケリノール酸はβアドレナリン受容体を活性化させ、運動と同様の効果を得られるという研究結果も出ています。
エノキタケリノール酸はβアドレナリン受容体と結合して活性することにより、体内で複雑な働きが巡り巡って、最終的に中性脂肪分解酵素を活性化させます。
つまり、えのきを食べると、落ちにくいとされる内臓脂肪を燃焼しやすくしてくれるのです。一生懸命に運動をしても落ちにくい内臓脂肪を燃焼させる効果があるとしたら、えのきというのはすごい食材ですね。
ただし、日本国立健康・栄養研究所はエノキタケ抽出物について、このように定義しています。
“「ダイエットに良い」などと言われているが、ヒトにおける有効性・安全性については調べた文献の中に十分なデータが見当たらない”
えのきは、「内臓脂肪の燃焼効果を持つかもしれない」と言う程度に捕らえておきましょう。
脂肪の吸収を防ぐ効果
キノコキトサンは、えのきだけでなく、その他のキノコにも含まれている成分ですが、えのきは最も含有量が多い食材となります。
キノコキトサンに含まれる複合不溶性食物繊維は、水分を含むと膨らんで腸壁をコーティングし、余分な油分・脂肪を吸収せずそのまま排出するので大幅な油分・脂肪分の吸収をカットしてくれます。
脂っこい食事をしたとしても、えのきを一緒に食べることによって油が吸収されずに済むので、自然と痩せていくということです。食後にえのきを摂取した場合でも、キノコキトサンは胃酸では解けない性質を持っているので、先に摂取した油も包み込んでそのまま体外に排出してくれます。
便秘解消効果
キノコキトサンに含まれている食物繊維が体内で膨らむことで満腹感が得られ、水分を含むことで適量適度な便を排出する助けにもなってくれます。ダイエットをするならまずは腸内環境の改善・便秘解消は必須項目です。便秘に悩む機会が減っていくといいですよね。
コレステロール値を下げる効果
キノコキトサンはダイエットだけでなく健康面でも大きな一役を持っていて、生活習慣病の原因となる血液中のコレルテロール値を下げる効果があるのです。
キノコキトサンのキトサンは甲殻類(カニ、エビ)からも摂取できるのですが、甲殻類では稀にアレルギー反応があらわれることもあるので、そういった面でもえのきを積極的に摂取した方が安心です。
うれしい効果を持っているえのきをたくさん食べたいところですが、注意点もあります。えのきを一気に大量に摂取したりすると逆にお腹がゆるくなってしまう場合もあります。自分の体調や体型に合わせて、1日50g〜150gの範囲内で摂取量を守りましょう。
美肌効果
えのきに、多く含まれる「グアニル酸」は肌荒れの原因となる毒素の排出、細胞の再生を促進するといった美肌効果をもたらしてくれます。
グアニル酸は化粧品でも保湿成分として含まれています。
グアニル酸をより効果的に摂取するなら、干しえのきの方が圧倒的に成分を吸収しやすいので、ダイエットと同時にお肌改善も一緒にするなら干しえのきにしましょう。
えのきダイエットのレシピ
えのきのダイエットに有効な成分を効率良く摂取するためにえのき氷・干しえのきを作っていただきたいのですが、食べるならやっぱり好きなもの、そして飽きがこないようにアレンジがきくものがいいですよね。
味や風味をそこまで損なわないえのきだからこそ、和洋中全てに使えますが、今回はえのき氷・干しえのきを使った、女性の方が好きなパスタレシピをご紹介します!
まずはエノキ氷と干しエノキの調理方法をご紹介します。
エノキ氷
材料
・えのき茸 300g
・水 400g
作り方
1.えのき茸は石づきを除き、ざく切りしたます。
2.ミキサーにかけペースト状にします。(約30秒)
3.鍋にペーストを入れ、60分かき混ぜながら煮詰めたのちに、製氷皿に流し入れ、冷凍庫で凍らせます。
ミキサーにかける前に日光に当てる(約1時間)とビタミンD2がアップしますので、ぜひこれも試してみてください。
干しえのき
材料
・えのき 2袋
作り方
1.えのきをカットし、子房に分け(バラバラにする)、干します。
※フルドライ(保存用)の場合には、2~3日間。セミドライ(調理用)の場合には2~4時間程度、日光に当てて干します。時々上下を裏返しながら、両面を干しましょう。
2.食べる量だけ水に戻し(戻すのは15秒程)、料理に入れる
どちらも作るのに時間が多少かかってしまいますが、保存が効くので一度でたくさん作り置きしておけば、好きな時に好きなだけ食べる事が出来ますね。
えのきを使ったクリームパスタ
材料
・余ったアヒージョ(もしくは缶詰) 適量
・えのき氷 3キューブ(40gくらい)
・パスタ 80g
・塩コショウ 適宜
作り方
1.アヒージョとえのき氷をフライパンに入れ、中火にかけます。
2.茹で上がったパスタをフライパンに入れ、ソースと絡ませながら加熱しましょう。
3.よく絡まったら出来上がりです。
ペースト状となっているえのき氷がクリームパスタを表現します!シンプルな一品なので好きな具材をプラスすれば、自分好みのパスタが出来上がりますね。
えのきとアンチョビのパスタ
材料
・バター 10gくらい
・にんにく 1かけら
・干しえのき茸 20本くらい
・しいたけ 5つくらい
・アンチョビ 2尾くらい
・白ワイン 大さじ1強
作り方
1.ニンニクはスライス。しいたけは3切れくらいに斜め切り。干しえのき茸は、ほぐします。
2.フライパンに白ワイン以外の材料をすべて入れて、しいたけがしんなりするまで中火で炒めます。
3.アンチョビをフライパンの中でつぶしながら溶かして全体になじませます。
4.最後に白ワインを入れて、なじませて火を止めます。
パスタ量を減らして干しえのきを増やせば、もっとヘルシーになりますね。えのきの満腹感効果を活用すれば、大好きなパスタも楽しめます。干しえのきの量は、お腹を壊してしまわないよう注意して増やしてくださいね!
えのきダイエットで「痩せない」「効果なし」とならない工夫
えのきダイエットを実践している方々の「痩せた!」「もう食べないなんてありえない」という感想も多く目にします。
ただ食べてすぐ効果が出る人もいれば、体質や生活環境によっては、「なかなか効果が出ない…」という方もいるはずです。
「すぐに効果が出ないからこのダイエットは失敗だ」と思わず、効果を最大限に発揮出来る正しいやり方を自分のペースで、長期的にコツコツしていくことが秘訣です。
摂取量を守る
えのきの1日の目安の摂取量は50g~150gです。えのきダイエットを行うときは1日の摂取量を守り、自分の体調管理もしながら積極的に食べるのがまず最初の一歩です。
えのきにはカリウムが多く含まれていて、大量に摂取してしまうと「高カリウム血症」となり肝機能を低下させてしまいます。肝機能が低下するとだるさや吐き気、足のむくみや肌荒れやシミの増加を引き起こしてしまう危険性もあります。
痩せるからといって大量にとってしまうと、せっかくのうれしい効果も台無しになってしまいますので、摂取量には十分注意してください。
無理なダイエットや間違ったダイエットは健康をも害してしまいます。ダイエットと健康は必ずセットなのです。
えのき料理以外のカロリーに気をつける
えのきのダイエット効果を過信するあまりに脂っこい食事を頻繁にしていては、当たり前ですが、いくらえのきを食べてもダイエット効果は追いつきません。
先ほどご紹介したエノキタケリノール酸は内臓脂肪を燃焼させる働きを持ってはいますが、どんどん燃焼させて脂肪をなくすわけではありません。
もともとの代謝の度合いにもよりますし、内臓脂肪の量によっては大きな効果は目に見えるほどない場合もあります。
効果をよりスピーディーに、より実感をしたいのであれば、えのきを食べるだけでなく一緒に食べる物にも気を使うことが必要です。
運動を取り入れる
脂肪を燃焼させるには食事にプラスして、適度な運動をすることにより、痩せていくスピードは増します。適度な運動をすることにより汗をかき、体の中の不要物質も体外に排出されやすくなりますし。何よりも運動により脳から幸せホルモンが放出されることにより、ストレスの解消にもつながります。
えのき料理を食べて痩せよう
えのきダイエットをするにあたって「大好きな油物は食べない!」などの制約は、逆にストレスになってしまいます。ダイエットをするにも健康や美肌を作っていく過程でも、ストレスというものは大敵です。
大好きなものはある程度量を決めたり、徐々に減らしていったりしてみてください。運動も無理なく始められることから実施していきましょう。
楽しみを感じていければ自然と運動量も増え、いつの間にか理想体型に近づいていきます。ダイエットは苦しいもの辛いものというイメージは捨てましょう。最初は我慢が必要な部分もあるかもしれませんが、慣れてくるまではダイエットと上手に向き合ってみてください。
ほどよく「えのき」とお付き合いして、美味しく楽しく「えのきダイエット」を楽しんでくださいね!
参考文献・URL
・「健康食品」の素材情報データベース
栄養士栄養教諭 竹渕真実子からのコメント
えのきダイエットは、えのきを冷凍したり乾燥させたりしたものを用い、1日50~150g程度を目安に毎日の食事に取り入れるといったダイエット方法です。えのきの持つエノキタケリノール酸の脂肪燃焼効果や、キノコキトサンによる脂質が過剰に吸収されるのを防ぐ効果などにダイエット効果を期待するものです。
しかし、えのきたけの成分がダイエットに効果的であるという説には、十分な科学的根拠はありません。
ただ、えのきの食物繊維が整腸作用に効果的である点は間違いなく、パスタを減らしてえのきで補うなどの方法で炭水化物の摂取量が過剰にならないよう工夫することでも、ダイエットには効果的であると考えられます。
えのき氷などは料理にも活用させやすく、ダイエットをしながら美味しい食事を楽しみたいと言う方にお勧めのダイエット方法です。