セルライトと肉割れの違いと見分け方
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ざっくり言うと
セルライトとは、体内の余分な水分や老廃物と脂肪細胞が癒着し肥大化することで生まれるもので、血行不良やむくみを起こしやすく冷え性を悪化させる原因となります。
肉割れとは、何らかの原因で皮膚が長時間に渡り強く引っ張られ、真皮やコラーゲンが裂けてしまった状態のことであり、一度裂けると再生に少なくとも5~6年を必要とします。
セルライトは小さな塊、肉割れはひび割れている感覚が見分け方になります。予防に有効な方法は、セルライトは老廃物の排出を促すことで、肉割れは保湿をすることです。
この記事では、セルライトと肉割れの違いと見分け方についてお伝えしていきます。
太ももやお尻など、脂肪の多い部分にできやすいと言われるセルライトや肉割れ。どちらも見た目が気になる上に、一度できてしまうと解消が難しいと言われています。
では、セルライトと肉割れは具体的にはどんな違いがあるのでしょうか?また、予防や改善方法はそれぞれによって異なるのでしょうか?
違いが分かりにくいと言われるセルライトと肉割れについて、詳しくお伝えしていきます!
見出し
セルライトとは
セルライトは下半身にできやすい?
セルライトは女性の8割以上に存在すると言われており、美容やオシャレを楽しみたい方にとって大敵ですよね。
皮膚の表面に現れていなくとも、皮膚をつまんだり、ねじったりするとぼこぼこと浮き出てくることがあります。こうした隠れたセルライトは、そのまま放置しておくと皮膚の表面にまで出てくるため、早めに改善することが必要です。
そもそもセルライトは、体内の余分な水分や老廃物と脂肪細胞とが癒着し、肥大化することで生まれます。仮にセルライトができても、痛みやしびれなどの異変は一切感じられないため、「気づかないうちにできていた」という方がほとんどです。
またセルライトは、上半身よりも下半身の方ができやすく、特にお尻や太ももに集中しています。下半身は心臓から離れているので血流が滞りやすく、余分な水分や老廃物が流れにくくなっているためです。
さらに運動不足や食生活の乱れにより血液がドロドロになると、セルライトができやすい状況に拍車をかけることとなります。普段から冷えが気になる方や、デスクワークの方はセルライトができやすいため、こまめなチェックが大切です。
セルライトはどんなところが厄介なの?
セルライトが嫌がられる理由の一つとして、その特徴的な見た目にあります。
でこぼこと皮膚がもりあがっており、オレンジのような見た目をしていることからオレンジピールスキンとも言われています。薄着になるととても目立ちますし、ダイエットして体を絞ってもセルライトが残っていると、とても悲しい気持ちになりますよね。
また、セルライトがあると血行不良やむくみが起きやすいため、冷え症を悪化させる原因になります。見た目が気になるだけでなく、健康にも害を及ぼす恐れがあるため、セルライトは多くの女性の悩みの種になっているのです。
参考①:「セルライトとは?」の記事をご覧ください。
「セルライトとは?」
参考②:「気になる太ももやお尻のボコボコ。セルライトってどうしてできるの?」の記事をご覧ください。
「気になる太ももやお尻のボコボコ。セルライトってどうしてできるの?」
肉割れとは
セルライトと肉割れとは全くの別物?
セルライトと肉割れはとてもよく似ているのですが、それぞれができてしまう理由は全く異なります。まずは、私たちの皮膚がどのようにできているのかご説明しましょう。
私たちの皮膚は、表面で伸び縮みする表皮があり、その下にコラーゲンや真皮が網のように張り巡らされてできています。皮膚が潤いや弾力を保っていられるのは、コラーゲンや真皮が水をたっぷり含んで、中から支えてくれているからなのです。
したがって、皮膚を軽くつねったり、握りしめたりしても、皮膚に傷が残ることはありません。ところが、何らかの原因で皮膚が長時間にわたり強く引っ張られると、耐え切れなくなった真皮やコラーゲンが裂けてしまうことがあります。
この真皮やコラーゲンが裂けてしまった状態のことを、「肉割れ」と呼ぶのです。
肉割れはどんなところが厄介なの?
肉割れも、セルライトと同様にとても特徴的な見た目をしています。
腰、お腹、背中、太ももなど面積の大きいところにできやすく、はじめは赤い筋のようになって皮膚の表面に現れます。時間の経過とともに、赤い筋は細く白いひび割れのような線に変わっていきます。
日焼けをしてもその部分だけは白く残ってしまうため、ぱっと見ただけでも肉割れだと分かります。
さらに肉割れが悪化すると、ひび割れのような白い線が何本も重なっていったり、小枝をちりばめたような線が広がっていきます。また、一度できてしまった肉割れを完全に消すのはとても難しく、改善にはかなりの時間がかかってしまうのです。
肉割れが厄介なのは、表皮が傷ついているのではなく真皮が裂けてしまっていることにあります。真皮が裂けてしまうと、その再生には少なくとも5~6年の月日がかかるため、丁寧なケアが必要になります。
このように、肉割れができてしまうと改善に時間がかかること、元の状態に治しにくいことが、多くの女性を悩ませているのです。
セルライトになる原因
急激な体型の変化
前述の通り、セルライトは不要な水分や老廃物と脂肪細胞が癒着することで生まれます。「1月に体重が3~4キロも増えてしまった」、「脂質や糖質の多い食事ばかりとっている」という方は特に注意が必要です。
脂肪細胞に急激に脂肪が蓄えられると、周りの血管が圧迫されて老廃物が蓄積されやすくなります。肥大した脂肪細胞と一気に蓄積された老廃物があっという間にからみあい、硬くて大きなセルライトができあがってしまうのです。
また、急激に体重を落とすことによって、これまで表皮の下に隠れていたセルライトが姿を表すことがあります。脂肪を落とし、筋肉をつけだだけでは解消されないのがセルライトの厄介なところです。
バランスの良い食事をとること、マッサージやストレッチを続けることが、セルライトの一番の解消方法です。
冷えによる体のむくみ
指先や足先などは心臓から遠くなるため、血液が滞りやすく、不要物も排出されにくくなっています。そのため、筋肉が少ない女性やデスクワークをされている方、運動不足の方は冷え症になりやすいのです。
不要物が排出されずに蓄積されていくと、やがて脂肪細胞とからみ合い、セルライトができあがってしまいます。
「夏場でも足先が冷えて辛い」、「足が冷たくて寝られない」という方は、セルライトができやすいので要注意です。入浴後にマッサージをしたり、冷え取り靴下を履いたりと工夫をして、冷え症の改善を心がけるようにしましょう。
肉割れになる原因
急激な体型の変化
セルライトと同様に、急激な体型の変化は肉割れをできやすくします。実は、肉割れができる原因は肥満によるものが最も多いのです。
脂肪細胞に急激に脂肪が蓄えられれば、皮膚もそれに合わせて引き伸ばされていきます。
表皮は体の状態に合わせて柔らかく伸びていくことができるのですが、真皮は伸縮性が低いため表皮ほど伸びることができません。
結果的に、伸びに耐え切れなくなった真皮が裂けてしまい、肉割れができてしまうのです。肥満による肉割れは誰にでも起きる可能性があり、改善よりも予防することが何よりも大切です。
「お腹まわりの脂肪が気になる」、「太ももがたるんできた」、という方は寝る前のストレッチや軽い筋トレから始めて、脂肪の増加を防ぎましょう。
もちろん、バランスのとれた食事をとることも忘れないでくださいね。
妊娠中の体の変化
妊娠をした女性の7割以上が、体のどこかに肉割れができてしまうと言われています。代表的なのは、お腹にできてしまう妊娠線です。
個人差はありますが、妊娠中は普段より20㎝ほどお腹が大きくなるため、必然的に皮膚も伸ばされていきます。
急劇に引き延ばされた皮膚が耐え切れなくなると、皮膚の深い部分で繊維が断裂してしまい妊娠線ができてしまうのです。
特に妊娠7か月以降は赤ちゃんが急激に大きくなるため、妊娠線の予防にはより注意が必要です。
また、授乳に備えて大きくなる胸や、いつもより脂肪が蓄えられやすくなっている太ももや腰回りも肉割れが非常にできやすいです。
「お腹がかゆくてたまらない」、「背中が乾燥してひりひりする」などと感じていたら、妊娠線ができてしまう危険なサインです。妊娠中は肌が乾燥しやすく、ダメージを受けやすい状態になっています。
肌が乾燥して通常よりも弾力や柔軟性が低くなっていると、皮膚が伸びに耐え切れなくなり、断裂しやすくなります。
しかし、妊娠中にお腹が大きくなったり、脂肪がつきやすくなったりするのは出産へ向けた大切な体の変化です。妊娠線を防ぐためには、保湿クリームをこまめに塗って、皮膚を乾燥させないように気をつけてくださいね。
セルライトと肉割れの違い
セルライトの予防や改善方法は?
セルライトを予防するためには、老廃物の排出をうながしてあげることが有効です。
入浴後にむくみが気になる個所をマッサージしたり、長時間デスクワークが続いた時はストレッチをしたりして、血流をよくするように心がけましょう。血流がよくなることでセルライトを防ぐだけでなく、冷え症やむくみの改善効果も期待できます。
また、できてしまったセルライトを改善するにも、マッサージやストレッチは有効です。表面にまで現れるようになったセルライトを撃退するには時間がかかりますが、地道に続けていくことが大切です。
さらに、これ以上セルライトを増やさないためにも脂質・糖質の摂りすぎには注意が必要です。バランスの良い食事と適度な運動を心がけて、脂肪細胞を小さくしていくようにしましょう。
肉割れの予防や改善方法は?
肉割れを予防するためには、何よりも保湿が重要となります。
表皮と違い、真皮は乾燥に弱く伸縮性がないため、水分不足になるとダメージを受けやすくなります。エアコンのきいた部屋で過ごすことが多かったり、肌が乾燥しやすかったりする方は、注意が必要です。
入浴後や起床時に保湿クリームを塗ったり、加湿器や濡れタオルを部屋に干したりして、肌と空気が乾燥しないように気をつけましょう。できてしまった肉割れは、専用のオイルやクリームをこまめに塗って、保湿と皮膚の修復を促しましょう。
また、できてから時間が経過した肉割れは美容皮膚科でのレーザー治療が非常に有効です。範囲が広く、自力での改善が困難だと感じたら相談してみるとも良いでしょう。
セルライトと肉割れの見分け方
セルライトと肉割れの見た目
セルライトはぼこぼこと皮膚が盛り上がっており、小さな塊が皮膚の下に埋まっているような見た目をしています。そして、普段は表面に現れていなくとも、皮膚をつまんだりつねったりした時に現れるのが特徴です。
肉割れは、できたばかりの頃は赤いみみず腫れのように見えますが、時間が経つにつれて白いひび割れのような見た目に変化します。また、肉割れは普段から皮膚の表面に現れており、すり傷や火傷の跡が治るようにゆっくりと薄くなっていくのが特徴です。
セルライトと肉割れの感触
セルライトをつまむと、皮膚の下にゴツゴツとした塊があるのを感じられるはずです。また、セルライトのある個所にはたくさんの老廃物がたまっているため、揉んだりつまんだりすると痛みがあるのも特徴です。
肉割れは、周りの皮膚がつっぱられるような感触があり、皮膚が乾燥しているためにかゆみを感じます。さらに症状が進むと衣服が少し触れただけでヒリヒリと痛むため、保湿クリームで入念にケアをする必要があります。
セルライトと肉割れの違いを知り、予防・改善をしよう!
いかがでしたか。セルライトと肉割れができる理由や違いについて、詳しくお伝えしてきました。
それぞれができてしまう原因や、ケアの方法は全く異なるため、改善のためには正しい知識が不可欠です。
まずはお肌の状態をチェックして、「セルライトなのか?肉割れなのか?」悩みの原因を明らかにしてみてくださいね。それぞれの改善に向けて、この記事が少しでもお役に立てば幸いです!